若い世代が注目
再び脚光を浴びつつある内職

「内職」が静かなブーム、子育てママやシニアに人気の理由パートやアルバイトよりも収入は少ないが、内職を選ぶ人が増えている。自宅で好きな時間に働け、自由度が高い点が再評価されている(写真はイメージです)

 埼玉県さいたま市に住む永富紗貴さん(25歳)は、4歳と0歳のお子さんを育てるお母さん。育児のかたわら、自宅で書類の封入やシール貼り、値札付け、箱の組み立てといった軽作業を行っている。いわゆる「内職」だ。

 育児をしながら、自宅で好きな時間にできるので、この仕事を選んだ。パートやアルバイトに比べて収入は少ないものの、家庭を優先して働けるとあって、若い世代に内職を選ぶ人が増えつつある。

 永富さんが登録しているのは「内職市場」という愛知県春日井市に本社を構える企業。内職といえば、近所の工場や作業場から請け負うというイメージがあったが、現在は、同社のような仲介企業を介して仕事を請け負うケースが増えてきた。「内職市場」はそのひとつである。

「内職」が静かなブーム、子育てママやシニアに人気の理由「内職市場」に登録して働いている永富紗貴さんは2児の母。自宅で育児をしながら、空いた時間に内職を行っている。家庭を優先するために内職を選んだ

 昔と比べ、仕事の内容も様変わりしている。まずは「自宅での軽作業」。好きな時間に働けるとあって、永富さんのような育児中の主婦、介護のために勤務は難しいという人が多い。主な作業は、商品の袋詰め、箱詰め、シール貼り、検品、組み立てなど簡単なものが多い。

 2つ目は、「店舗での軽作業」。発注者の要望で、情報が外部へ流出することを防ぐためや、資材や納品物が大物で自宅での作業が困難な場合、企業に出向いて作業を行うパターン。ここまでは従来の内職とさほど変わらない。

 最近増えているのは「パソコンを使った作業」である。「クラウドソーシング」というサービスで、昨今よく耳にするようになったが、言い換えれば「パソコンを使った内職」。仕事は、データ入力、帳票作成、投稿用のレビューライティングなど簡単なものから、高度な作業まで多彩なデジタルワークがあり、自由に選ぶことができる。その他、自宅から多少外出が可能な方を活用した、店舗の覆面調査や写真撮影、家事の代行など、「外出してのフィールド作業」もある。