政令指定都市で唯一の非給食

 共働き世帯の増加とともに、貧困世帯における子どものセーフティーネットとしての役割もクローズアップされ、全国で給食の実施が進んでいる。

 そんな中で神奈川県は、16年時点での公立中学の完全給食実施率が3割未満と47都道府県で“断トツ”の最下位。人口の多い横浜市と川崎市が未実施だったためだ。川崎市は17年に実施に踏み切り、全く未実施の政令指定都市は横浜市のみとなった。

 冒頭の“横浜らしい中学昼食”とは、横浜市教育委員会が掲げる、公立中学における昼食のあるべき姿。家庭の弁当が基本で、業者弁当などさまざまな選択肢を用意するのが望ましいとし、それには給食はそぐわないという。

 林文子市長は「ハマ弁の良さが伝わっていない。周知に努める」と明言、ハマ弁の継続に固執する。

 もっとも、給食を実施しないのは考え方というより、コストによるところが大きい。給食の実施には数十億円以上の初期投資が必要で、早期実現は困難という。給食より少ない投資で、かつすぐに始められるのがハマ弁だったのだ。

 18年度はハマ弁の値段を下げて注文数の向上につなげるというが、林市長や教育長によれば、その差額は市が補填する可能性が高い。これでうまくいかないと、さらにコスト負担はかさむ。

 貧困世帯の子どもに対する無償の提供も行っているというが、実績は30人程度。セーフティーネットとしても機能しておらず、給食の代替とはとてもいえない。

 これでは、ハマ弁に「良さ」を見いだせというのは、強弁に聞こえる。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 野村聖子)