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弁護士界の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年

若手は困窮!日弁連離れも誘発
弁護士界がさいなまれる人数論の呪縛

【第3回】 2012年3月21日
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連載第1回では、過払い請求訴訟が終息に向かいつつあり、弁護士の仕事が急速に減ることで、四苦八苦する弁護士会の姿を描いた。問題はこうした需要サイドだけにあるわけではない。実は、供給サイドも大きな問題を抱えている。(ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

日弁連と弁護士会の会費も
若手には大きな負担

 「弁護士会の会費は高い。今の若手弁護士がこれを払うのはとてもキツい」

 2009年春に独立し、都内で事務所を構えている30代前半の弁護士は話す。

 司法試験に合格し、司法研修を終え、正式に弁護士として活動するには日本弁護士連合会(日弁連)と、所属する各地方の弁護士会(単位会)に会費を支払わなければならない。先の弁護士は第二東京弁護士会に所属しており、毎月、日弁連に2万200円(会費1万4000円と特別会費6200円の合計)、第二東京弁護士会に3万500円(会費2万500円、特別会費1万円)の月合計5万700円を支払っている。

 独立してすでに3年経ち、事務所経営も軌道に乗ってきたため支払いに窮することはないが、月に5万700円は個人事務所の弁護士にとって、事務所経費や光熱費、コピーやファックスなどの通信費に並ぶ、大きな出費だ。

 今、弁護士界では若手の経済的な困窮や就職問題が問題視されるようになっている。原因は主に弁護士数の急増だ。

 こうした若手の現状を考慮して、日弁連は弁護士登録から2年を経過するまでは会費を半額の7000円に、また各単位会は減額措置を設けた。第二東京弁護士会では会費2万500円のところを、2年目まで5000円、3年目1万円、4年目1万8500円としている。

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弁護士界の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年

司法制度改革から10年が経った。法曹界の2割しか機能していない現実を「2割司法」と呼んで問題視し、矢継ぎ早に司法制度が改革されてきた。市民に近い弁護士界を掲げたり、弁護士人数を増やそうと司法試験制度や法科大学院制度を整備したり、さまざまな改革を行った。同時に、過払い金返還請求という空前のバブルも到来した。しかし、弁護士界は制度の理想と現在の姿は必ずしも一致していない。改革とバブルに激しく揺らされ、ただ混乱をしているように見える。

「弁護士界の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年」

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