振り返ってみるに、運用会社、証券会社、銀行、生命保険会社などに勤めてきた筆者自身は、明らかに加害者の側にいた。顧客から不当に高い手数料を取ったり、余計なリスクを負わせたりするビジネスに、直接・間接双方の形で関わってきた。

 特に、マネーの世界にあっては、動く経済価値の単位が大きいし、意思決定・行動の損得が金銭単位で評価できる。ミスを犯すとその影響が大きくなりがちであることと、ミスがことのほか悔しいことが、この世界の特徴だ。

 一方、顧客と金融マンの双方が、より幸せになる道は案外簡単に見つかる。顧客の側が賢くなればいいのだ。

 顧客が単純なミスをしなくなれば、金融マンの方も仕事のレベルを上げざるを得ないし、これについてくることができない金融マンは脱落して、別の世界で働くことになるだろう。それは、社会的にいいことだ。

 しかし、単純なミスをする顧客が多いのが現実である。

新社会人は「マネーの三悪」を避けよ

 具体的な話の方が分かりやすいだろう。新社会人が犯しやすいマネーのミスを三つ挙げよう。

(1)リボルビング払い

 まず、カードのリボルビング払い、通称「リボ払い」である。

 給与振り込みの口座を銀行に作った場合、キャッシュカードにクレジットカード機能がついている場合があるし、クレジットカードのセールスを受ける場合もある。この場合に、読者は、リボルビング払いを勧められなかっただろうか。

 リボルビング払いとは、カードを使って大きな金額を支払った場合に、月々1万円、2万円といった、あらかじめ決められた単位でこれを決済していく支払い方法で、未決済の残高はカード会社から借りる形になる。問題は、その際の金利が、例えば14%といったひどく高いものであることだ。また、同時に、こうした細かな借金は、借金生活への入り口でもある。