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イノベーションの発想は
過去の成功体験を捨てることから

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第79回】 2018年4月13日
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 C-NES分析は、実際に多くの企業の事業戦略やIT戦略立案のコンサルティングで施策アイデアを創出しており、特に既存事業で成功を収めてきた大企業では有効に機能していた。

 しかし、押し寄せるデジタライゼーションの潮流や第4次産業革命と呼ばれる大きな転換期の入り口といえる現在においては、海外や異業種からのディスラプター(破壊者)の出現や、新たな価値観や世界観の台頭が著しく、これまでと全く異なる発想が求められるようになっている。自社の現在のコンピタンスが、将来のコンピタンスであり続けるとは限らず、逆に足かせとなることさえあり得る時代といえる。自社のコンピタンスや過去の成功体験に縛られすぎると、現状の延長線上の戦略に終始し、イノベーションにつながる斬新な発想を阻害するという場面も多くなってきた。

 当初、大企業向けのイノベーション・ワークショップや事業創造のコンサルティングの場面でもC-NES分析を活用してアイデア創出を行っていたが、この手法ではなかなか斬新なアイデアが生まれないという事態に直面するようになった。

 そこで、自社のコンピタンスは一旦忘れ、産業構造の変化や社会的課題などの外部環境の変化を起点とし、そこから生じる課題やニーズを洗い出し、それらに技術シーズを掛け合わせて取り組むべき戦略施策を発想する新C-NES分析手法が考え出された。自社のコンピタンスは、最後の段階で取り組むべき戦略施策を評価し、実際に狙うべき戦略施策を決定する際に考慮するという考え方である(図2)

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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