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ピーチ就航開始で「LCC元年」本番
日本の空はどう変貌するか
早稲田大学アジア研究機構教授 戸崎 肇

2012年3月26日
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今年3月に就航を開始したピーチアビエーション(全日空系)をはじめ、7月にはジェットスター・ジャパン(日本航空系)が、8月にはエアアジア・ジャパン(全日空系)が日本の空に参入する。まさに「LCC元年」といわれる由縁である。LCCは世界の航空市場で、急速にシェアを拡大している。果たしてLCCは日本航空産業に、どのようなインパクトをもたらすのか。そのこと知るために、まずLCCとは何かを、きちんと理解することから始めよう。

LCCはどのようにして
低運賃を実現しているか

1963年、大阪生まれ。京都大学経済学部卒業。同大学院修了。博士(経済学)。日本航空に勤務後、帝京大学、明治大学を経て現職に至る。現在、国土交通省航空のあり方懇談会委員、ビジネスジェット推進委員会座長。技術のあり方検討委員会委員。最近の著書として、『航空産業とライフライン』(学文社)、『図解これからの航空ビジネス早わかり』(中経出版)などがある。

 LCC(Low Cost Carrier)とは、あらゆる手法を使ってコストを最大限切り詰め、それによって運賃の大幅な引き下げを可能とし、市場に革命的ともいえる低運賃で攻勢をかける航空会社のことを指す。

 コスト削減の方法を生産面から見てみよう。従来型の大手の航空会社では、需要の多寡に対応するために、大小様々なタイプの機材を保有してきた。しかし、これは、機種ごとに部品を取り揃えなければならず、部品の在庫管理に相当のスペースをとらなければならない。

 また、整備士の免許も、パイロットの運航免許も、「機種ごと」に取らなければならない。例えば同じボーイング社でも、機種が異なれば免許が異なる。したがって、機種に応じた整備士、パイロットを多数抱え込まなければならない。しかし、機種を1種類に絞ることで、部品の在庫も最小化できるし、整備士やパイロットのやり繰りも格段に楽になる。整備作業や運航作業も単純化されることから習熟も早くなり、作業効率も高まることになる。

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