この制度では2500万円までは贈与税が免除されますので、後継者の税負担は大きく軽減します。こうして、生前に株の移転をすることができ、莫大な相続税を払わずに済んだのです。ただし、この方法は株の評価の仕方や引退した社長の勤務実態も重要なポイントとなりますので、絶対に安易にマネすることはお止めください。

赤字会社なら安心なのか?

「うちは赤字だから、株価の心配はないだろう」と油断している企業も多いはず。京都の老舗企業S物産は、100年以上の歴史がありますが、ここ数年は赤字続きです。社長は役員報酬を取らずに、何とか会社を支えてきました。

 ところが、一等地に保有する店舗や工場などの不動産の価値が、購入時よりも大幅に上がっていたのです。結果、お金はほとんどない状態にも関わらず、土地の含み益が自社株の評価を押し上げていました。このように、赤字企業でも株価が上がってしまう場合があるので、工場など古い資産をお持ちの場合は、注意しなければなりません。

会社にお金、貸していませんか?

 自社株以外にも注意すべき点があります。「自分の会社にお金を貸し付けている」場合です。

 T建設。長年の経営難に苦しみながらも、社長が個人のお金を貸し付けることで、何とか窮地を凌いでいました。ところが、社長が突然亡くなり相続が発生。すると、会社への貸付金は、そのまま相続財産としてのしかかってきました。もちろん、経営状態が厳しいなかでのこと。会社に貸したお金が戻ってくる可能性はほとんどありません。それなのに、税金は容赦なく課されるのです。このような顛末にならないよう、なるべく早いうちに税理士に相談すべきでしょう。

誰に会社を任せればいい?
「後継者がいない」会社が増えている!

 昔は子どもが会社を継ぐことが当然でしたが、最近では会社を継ぎたがらない子どもも多いと聞きます。あるいは親の方が、子どもに苦労をさせたくないと会社をたたむ選択をすることもあるようです。中小企業白書によれば、後継者がいないために廃業をする会社は年間7万社にものぼるとのこと。そんな中、後継者問題の解決法として注目を集めているのがM&Aです。