佳食漫遊!ニッポンの郷土料理
【第20回】 2012年4月4日 橋本裕之

かきめし――広島産牡蠣の旨みがご飯に凝縮。
炊きあがる前から食欲をそそる!!

『おしい!広島県』というキャンペーンを御存知だろうか?

 広島県の新観光キャンペーンで同県出身のお笑い芸人、有吉弘行さんが委員長を務めて、ちょっと自虐的(?)な内容でネットを中心に話題を呼んでいる。今回は農業も水産業も盛んで、隠れた生産量1位や数多くの観光資源を持つ広島を取り上げたいと思う。

 池袋でオープンして13年、『瀬戸内料理 雑草庵』オーナーの久良(くら)さんは広島県は呉の出身だ。当初は小料理屋としてオープンしたが、新鮮な魚介をはじめとした瀬戸内海産ものの人気があったので、現在の広島料理居酒屋のスタイルが定着していったという。

「ビールに合いそうなつまみがたくさんあるなあ。最初はビールかな?」

 すぐ出てきそうなつまみを4種類ほど頼んだ。

瀬戸内ならでは!
小魚をふんだんに使った酒のつまみを一挙に食す

魚のすり身を平べったくパン粉で揚げたがんす。駄菓子のような素朴な味わい。

 まず、トップバッターは「がんす」だ。野菜や一味唐辛子などを混ぜた、魚のすり身を平べったく伸ばして、パン粉を付けて揚げたものだ。がんすという名称は広島弁の「~です」を意味する「~がんす」から来たという説を含め、諸説あるようだ。

「これは、なんというか……、郷愁を誘う味だなぁ~」

 呉を中心とした地域では、駄菓子屋にも並んでいたと言うが、まさしく、そんなイメージがピッタリな駄菓子のような素朴な味だ。もちろん、ビールに合う。

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橋本裕之

飲食店から蔵元訪問など、豊富な食べ飲み歩きの経験から、出版やWEBなどで、食と酒をテーマにした編集やライティングに関わる。過去の執筆に『dancyu』(プレジデント社)、『本格焼酎ぐびなび』(誠Style)など。SSI認定焼酎アドバイザー。ティーコンシェルジュ2級。


佳食漫遊!ニッポンの郷土料理

土地々々の風土に磨かれ、伝え継がれてきた日本の郷土料理を、料理の歴史や地域の慣習などを交えて紹介。その素晴らしさ、味わい深さを再確認していただければ幸いです。

「佳食漫遊!ニッポンの郷土料理」

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