SE2はプロセッサのアップグレードやApple Pay対応など機能的な性能アップはされるものの、100ドルからの値上げとなる。性能・品質に対してリーズナブルな価格で人気のSEが、SE2で消費者から「高い」と評価されてしまうと厳しい。アップルユーザーのボリュームゾーンに受け入れられなければ、9月の第2世代iPhone Xのポジションや戦略にも影響がでるはずだ。

ガラパゴスビジネスが支えた日本のiPhoneシェアにも変化か

 価格戦略について、日本ではアップルにとって特有の懸念材料がある。それは4月20日に総務省の有識者会議が発表した、携帯キャリア向けの通達だ。この通達では、国内市場の活性化、MVNO市場の拡大を目指すべく、いわゆる2年縛り契約、4年縛り契約の規制(解約金の廃止)、手続きの簡便化(Web手続きを可能にする)などが盛り込まれた。

 国内主要キャリアは、「0円端末」が規制され、MVNO(格安携帯・SIM事業者)市場が開放。それまでの2年ごとの違約金契約を下取り条項を含む4年契約にすることで、見かけ上の月額通信量をMVNO並み(または以下)にする販売手法を導入している。

 これが中古端末の流通、端末のSIMフリー化、MVNO市場の活性化(=自由な競争市場)を阻害するとして、総務省が業界にメスを入れた形だ。消費者にとっては、選択の自由度が広がり、高止まりの通信料が下がる可能性があるものだが、携帯キャリアにとっては、8万円、10万円という高額な端末を売りにくくなる可能性がある。

 日本は世界でも類を見ないiPhone大国だ。市場シェアは50%を超える。その背景に、主要キャリアが提供する料金プラン(違約金によって契約を2年などロックすることで端末代金を値引き)がある。

 総務省の通達は、直接的には通信キャリアのビジネスに影響を与えるものだが、その対応によってはアップルの国内販売計画にも変化が起こるだろう。

世界 40 カ国、主要 OS・機種シェア状況 【2018 年 3 月】
https://www.auncon.co.jp/corporate/2018/0323.html

(ITジャーナリスト・ライター 中尾真二)