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「引きこもり」するオトナたち

「脱引きこもり」を国や精神科医だけに頼らない
半数以上の家族に変化をもたらす3つの作戦

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第103回】

 「家族が変わると、子どもも外に出てきて動き出す」

 こう常々語っているのは、「全国引きこもりKHJ親の会(家族会連合会)」の池田佳世代表。実は、約25年前からカウンセラーを務める臨床心理士だ。

 「親が子どもに対して、ゆっくりさせてあげよう。何も言わないようにしようと思っていれば、子どもは退屈になって外に出てくるのです」

 池田代表によると、そんな学習会を続けている東京、千葉、静岡でアンケートを行ったところ、110家族のうち、半数を超える約51%が「子どもへの対応がよくなった」と回答。約24%が「子どもも楽になり、 家族関係が治療関係に変化した」と答えるなど、多くの家族に変化が生まれていたことがわかった。ここでいう「子ども」とは、30~40代の大人も含む。

 2011年以降、このような家族が勉強するための学習会は、香川、宮崎、福岡、広島、岡山、名古屋、新潟などの地方支部でも、池田代表を招いて開催され始めている。

 「家族が変わる」とは、具体的にはどのようなことなのか。今年2月11日、同会支部で山形県米沢市のNPO法人「から・ころセンター」が開く学習会で講演した池田代表に同行した。

国、精神科医だけに任せない
我が子を救うのが「親」の責任

 この日、銀色に染まった米沢の街に、風花(かざはな)が舞っていた。

 「私にできることは、全国の40支部が仲良くしていくことや、いろんな人たちと多くの関係を持っていくこと。会を1つにまとめ、『引きこもり』を法律の中に入れて頂けるよう、国に話をしています。70万人のデータ以上に数多くいるであろう引きこもりの人たちを、元気に回復させていきたい」

 外の寒さをよそに、こう熱く切り出した池田代表は、約100人の家族らを前に、長期間、引きこもってしまった人たちが数多くいる現実を説明。3年で担当者が異動になるような国の役人だけに頼らず、家族会が本人を回復させる。自らの子どもへの対応の経験も踏まえながら、「親の対応(を変えるに)は、家族の学習会がいちばん」として、こう力強くアドバイスする。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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