東京証券取引所が今年8月にも、上場企業約2300社の株価情報が一般向けにリアルタイムで流れる新サービスを導入することが、週刊ダイヤモンドの調べでわかった。
Photo by Toshiaki Usami
東証は、4月11日にも公表する見込みだ。
現在、東証は、リアルタイムの株価について、日経QUICKやロイター、ブルームバーグなどの会員制端末か、証券会社などのIDやパスワードで管理された環境下にしか提供していない。
会員以外の不特定多数に対しては、例えばインターネット検索サイト大手のヤフージャパンの金融情報サイト、ヤフーファイナンスなどを通じて、20分前の株価情報が流れている。
この差が、早ければ夏以降、解消されることになるのだ。
東証の狙いは何か。それは、リアルタイムの株価情報を広く開放することで、新たな投資家層を株式市場に呼び込み、株式の売買代金を増やすことだ。
もちろん、リアルタイムの株価情報を開放したからといって、すぐに株式の売買代金が増え、東証の利益に結びつくわけではないだろう。
しかも、今回の新システムの月額利用料は500万円という格安での提供となる。
株価の情報提供料は、東証にとって大事な収益源。最大の顧客である日経QUICKだけでも、「月額利用料は数千万円規模に上る」(東証幹部)というほどなのだ。
日経QUICKにしても、これまで高額の情報料を東証に支払い続け、自社の会員にリアルタイムの株価情報を提供してきたことから、今回の東証の決定には難色を示した模様だ。その交渉が長引き、「2月には公表したかったが、4月にずれ込んだ」(同)という。