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小売りのPB開発競争に潜む
下請法違反の大きな落とし穴

週刊ダイヤモンド編集部
2012年4月17日
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大創産業は公取委の勧告を受け、約2億8000万円を下請業者に支払った

 下請法違反で小売・卸売業者が公正取引委員会から勧告を受けるケースが急増している。

 今年に入ってからだけでも、靴専門店のチヨダ、100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業など4社が立て続けに勧告を受けており、2011年度に勧告を受けた18社のうち10社が小売り・卸となっている。5年前の06年度の勧告件数が11件、そのうち小売り・卸が1社だけだったのと比較するとその急増ぶりがわかる。背景にはプライベートブランド(PB)の開発競争がある。

 デフレ状況で安売り競争が常態化する中、低価格でもメーカー品より厚めの粗利益を確保できるPBの開発・販売を大手小売りや卸はこぞって増やしているが、そこに大きな落とし穴がある。メーカー品を仕入れて売っている限りは関係ないが、PBの製造を外部業者に委託する場合は、下請法の規制対象となるのだ。

 チヨダのケースでは「事務手数料」などの名目で代金から1億円余りを差し引いていたこと、店舗の改装・閉鎖に伴ってPB在庫を引き取らせていたことが下請法違反に問われた。大創産業は、代金を手形ではなく現金払いした場合、一定の割合を差し引いていたことが違反と認定され、約2億8000万円を下請業者に支払った。

 ただ、これらのケースは下請法違反でとどまっただけ、まだよかったともいえる。

 下請法で禁止されているのは、商品の受け取り拒否や不当な返品、代金の減額など11項目だが、それらのうち六つは独占禁止法の優越的地位の乱用にも該当するからだ。優越的地位の乱用は10年1月から課徴金の対象となっており、例えば今年2月に措置命令を受けた家電量販店大手エディオンの課徴金は約40億円、純利益の半分近くが吹き飛んだ。

 下請法を適用するか独禁法で処理するかは違反行為の広がりや業界全体への影響度などで判断される。PBで稼ぐはずが、法律違反で大損ということにならないよう、注意したほうがいい。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 田原 寛)

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