あなたの周りにも、まったく同じ時間で圧倒的な成果を上げる人はいないだろうか。彼らは、なぜそれほどまでに生産性が高いのだろうか。筆者らが、企業内で生産性が高いと評される7000人以上の従業員を調査した結果、7つのスキルがあることが判明した。


 あなたのチームに、ずば抜けて生産性が高い人はいないだろうか。長時間働くわけではないのに、大量の仕事を完遂する人物だ。

 どの業界にも、とびぬけて生産性高い人がいる。マイケル・マンキンズの研究によれば、最高の生産性を誇るソフトウェア開発者が1日に書く、使えるコードの量は、平均的な開発者の9倍にも達する。また、同じくマンキンズによれば、ニューヨークにあるレストランのル・ベルナルダンで一番腕のよい魚さばき担当は平均の3倍もの魚をさばくことができ、最も優れたブラックジャック・ディーラーは自分のテーブルのゲーム時間を平均の5倍長くすることができ、百貨店ノードストロムで最も優秀な販売員は平均の8倍の服を売る。

 いったい、どうやったらそんなことが達成できるのか。彼らの同僚は、そう首を傾げる。筆者チームも、その秘密を知りたいと考えた。

 そこで筆者らは、上司に生産性を評価された7000人以上の従業員と、48種の具体的な行動に関してデータを収集した。調査に参加した各人についてはさらに、同僚や部下など平均11人からも評価してもらった。生産性の高い人々(対象者のトップ10%)について、どのような行動と相関があるかを調べたうえで、因子分析を行った。

 その結果、7つのクラスターが浮き彫りになった。そこから、きわめて生産性の高い人々が定期的に用いるスキルが見えてきた。