かつては世界有数のコーヒー産地だったのに、病気や害虫被害が原因で生産量が激減したフィリピン。そんなフィリピン産コーヒー豆を復活させるべく奔走する日本人の取り組みをご紹介する。

歴史が古いコーヒー産地なのに...
生産量が激減したままのフィリピン

フィリピンのコーヒー農家真剣にコーヒー豆を選別する農家の人たち。選別の精度がコーヒーの美味しさを大きく左右する

 日本人にはあまり馴染みがないかもしれないフィリピン産のコーヒー。しかし、フィリピンのコーヒー産地としての歴史は実は古い。1740年にはスペインのコーヒー移入により生産が開始されている。

 200年ほど前は世界でも有数のコーヒー生産国であったが、19世紀の終わりにコーヒー錆病が蔓延し、害虫被害により生産量が激減してしまった。

 現在でもかつてほどではないが、小規模に生産は続けている。ただし、年間生産量2万7000トンに対し、輸出はわずか600トン。そして38万7000トンは輸入に頼っている。インスタントコーヒーに関しては輸入量世界一だ。

 今回は、フィリピン南部にあるミンダナオ島の街ダバオに住む日本人が、フィリピンのコーヒー農家の発展とフィリピン産コーヒーの美味しさを日本の消費者に知ってもらうことに取り組み、現地のコーヒーを日本に向けて輸出しようと挑戦していることに注目したい。

 フィリピン共和国ミンダナオ島ダバオ地区の企業として2018年6月、東京ビッグサイトで行われた「CAFERES JAPAN 2018」に出展したピスタシア・ミンダナオ・コーヒー・エクスポート, Inc.の代表取締役・太田勝久さんにお話を伺った。