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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

北朝鮮に怯える政府を、傍観する愚民は誰だ!?

加藤嘉一
【第4回】 2012年4月23日
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 今、日本人は外の動きに敏感にならざるを得ない時期だ。中国と北朝鮮を含めて、東アジアをめぐる国際関係は、日々、不確定要素を増殖させている。外の情勢が目まぐるしく変わり、内が一向に変わらない状況に当惑するのは、私だけだろうか。

 多様な見解を知ろうともせず、自国のマスメディアから流される同質化したニュースに一喜一憂するような島国根性なんていらない。今すぐ捨ててしまおう。

「敏感力」向上の必要性

 核心は、コトの本質に迫る「判断の眼」を養っていくことだ。

 4月13日、北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイルを発射した。私は北京大学朝鮮半島研究センターを拠点に朝鮮半島情勢をウォッチ・分析してきた(近著に『北朝鮮スーパーエリートから日本人への伝言』講談社)。

 私は、北朝鮮の過去の動きから判断すると、同国が今後核実験に踏み切る可能性は否定できないと感じている。なぜなら、金正恩政権へと移行し、北朝鮮という国家の改革開放を否定し、軍事を何よりも優先させる先軍政治を掲げる独裁国家は、内部に脆弱性を抱えているにもかかわらず、外部へ拡張主義をいっそう強めているように見えるからだ。

 日本は、地政学的に朝鮮半島情勢における変化の影響を直接的に受ける。そのため政府・民間を問わず、「敏感力」を向上させていかなければならない。外の動きに敏感でない国民国家に、御国の安全は守れない。繁栄も促せない。

犬の遠吠えはしない

 しかし、日本政府は「敏感力」の向上など、まったく意識していないようだ。野田内閣の情報公開の遅さが問題となっているのだ。

 政府は4月16日、検証チームを設置し、初会合を開いた。そのなかで、「田中直紀防衛相の判断能力の欠如が最大の原因だった」ことが調査によって判明した。加えて、藤村修官房長官が田中氏と意思統一せず混乱を助長したことも明らかになり、政権中枢の危機対応の「お粗末さ」がまたも浮き彫りになった形だ。

 日本経済新聞電子版(2012年4月17日、政府発表遅延、防衛相が陳謝 北朝鮮ミサイル)によると、田中氏は4月 17日午前の参院外交防衛委員会で、北朝鮮のミサイル発射に関する政府の発表が遅れたことについて「皆さんにいら立ちや不安を与えてしまったことは大変反省している。情報伝達はもう一つ工夫があってしかるべきだった」と陳謝し、防衛省の動きに関しては「正確さを重視した対応だった。(情報伝達の)早さはさらなる改善を図ることが大事だ」と釈明している。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

 「だったら、お前がやれ!」
この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。もともと、この言葉は加藤嘉一氏の亡くなった父の口癖だったが、加藤氏は自らの行動規範として常に心に留めている。相手に対して意見するとき、必ず自らに問いかける。
そんな加藤氏が今、憂いているのは、日本社会にあまりにも無責任な批判、意見、論評が多いということだ。本連載では、日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示す。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る」

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