風が吹けば桶屋が……ではないが、欧州心臓学会の機関誌に発表された研究結果によれば「自家用車とテレビの両方を所有していると、非所有者よりも心疾患を起こすリスクが27%上昇する」そうだ。

 同報告はアジア、欧州、北米、南米、中東、アフリカなど全世界52ヵ国の中高年男女を対象に実施されているライフスタイルや教育程度、収入などの社会経済的因子と心筋梗塞(MI)発症との関連を調べる「INTERHEART study」の一部。心疾患の既往歴がある1万0043人と健康な1万4214人を比較し、これまでに人種や性別に関係なく喫煙、糖尿病と高血圧の既往歴、アルコール摂取、果物・野菜の摂取不足、身体活動不足など、九つの危険因子が特定されている。

 今回の報告は、仕事中と休日の身体活動量と、「座りっぱなし」のライフスタイルへ誘う生活用品の所有が、MI発症に関連するかどうかを分析したもの。自家用車やテレビ、オーディオはそれぞれ単独で所有している限り、発症リスクはわずかだったが、自家用車とテレビが揃ったとたんに相乗効果で、発症リスクが一気に跳ね上がることが判明した。