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デジタルネイティブ企業と戦うには
その企業像の違いを知る必要がある

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第83回】 2018年8月24日
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デジタルネイティブ企業に学ぶ

 それでは、企業はDXを推進して、その先にどのような企業像を目指そうとしてるのだろうか。デジタルネイティブ企業にそのヒントがあると考えてみよう。50年前の経営科学では、自動車産業を含む大量生産の製造業の研究が主流であったが、現在の中心的な研究対象はデジタルネイティブ企業となっている。

 生まれた時から、あるいは物心ついた時から生活の中にインターネットやパソコンが当たり前に存在していた世代の人々はデジタルネイティブ世代と呼ばれる。これと同様に、インターネットの活用を前提としたビジネスをコアコンピタンスとして設立された企業をデジタルネイティブ企業と呼ぶ。

 デジタルネイティブ企業は、主に1995年以降に設立された企業で、コアコンピタンスとしてインターネット時代のITやデジタル技術を利用することにより、事業モデルおよび能力を築いている企業を指している。すべての経営幹部や従業員が、事業モデルそのもの、ビジネスの運営や意思決定のあらゆる場面で、デジタル技術やデジタル化された情報の活用を最優先に考え、行動する企業ということもできる。グーグルやアマゾンがデジタルネイティブ企業の代表格であり、先述のエアビーアンドビーやウーバーのようなデジタルディスラプターも含まれる。

 デジタルネイティブ企業には、独特な行動様式がある。そのような行動様式から生み出される優れた先を読む力、思考パターン、コンピタンスは、彼らの差別化を支える要因になり始めている。

 デジタルネイティブ企業は、顧客を中心に据え、顧客にとっての体験を完璧なものにすることに力を注ぐ。また、行動するリスクを、行動しないリスクと比較する。従来の企業では、ほとんどのプロジェクトは成功させなければならないが、デジタルネイティブ企業は異なる手法でポートフォリオを管理する。

 例えば、成功するプロジェクトは全体の2割で、8割は失敗すると想定している場合もある。ビジネスモデルに関しては、アイデアを探求し、テストする。いくつかのモデルを試し、最終的にそれらを組み合わせるかもしれない。ビジネスモデルを流動的に扱い、随時分析を行ってパターンを発見したり、洗練させたりする。実験が失敗したら、別のことを試す。何でも自社だけでやろうとせず協調戦略を採る。

 さらに、過去の成功体験を持つ上級管理職が正しい判断をするとは限らないため、フラットな組織を構成し、民主的意思決定を重視する。そのため個人を重視し、評価や報酬、働き方、職場環境などに気を配り、一人ひとりの能力を最大限に発揮することに力を注ぐ(図4)

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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