経営×経理

シンプルに考えればもっと良くなる
経理部内の役割分担「5つのポイント」

 ここでAさんが率いる経理部について、どこにウイークポイントがあるのかを考えていきます。自社の経理部隊の役割分担にもメスの入れどころがあるか否か、振り返ってみてはいかがでしょうか。以下に5つのチェック項目を示しました。

【経理部内の役割分担についてのチェックリスト】

 1.ミスが発生しにくい分担体制である
 2.役割ごとに部員らは、責任・目的意識を持って業務に当たっている
 3.業務の遅れはほとんど生ずることなく、残業も少ない
 4.新しい仕事を指示する際も即座にこなせる体制である
 5.部員らは常に成長意識を持ち、スキルアップのための勉強も欠かさない

 前述のAさんが率いる経理部隊であれば、公正性を重要視し、ダブルチェックを励行しているので“1”や “2”はクリアされていたとしても、担当割りで決まり切ったパーツ仕事をこなす部員らで形成されているため、“4”のように新しいことへの対応の場面ではキャパ不足が露呈するかもしれません。

 また、もしも“5”も欠けているとしたら、あらゆる変化に対応し切れず、そのしわ寄せがマネジャーのAさんに行くため、残業しながらの対応になることも想像できます。よって“3”もクリアできず、先行きが不安な経理部隊と言っても過言ではないでしょう。

 さて、あなたの会社の経理部隊はいかがでしょうか。もちろん、経理の役割分担に“これが一番!”という答えなどありません。企業の規模や文化によって、理想的な体制は多種多様だからです。ただ、企業が持つ使命の中でも、顧客満足度アップ、利益追求、納税などの社会貢献といったところは、あらゆる企業にとってシンプルな共通項のはずです。

 まずは、これらを全うできるような体制を備えるためのポイントを以下の3点にまとめました。もしも、自社の経理部で前述の項目にチェックマークがつかない点があれば、改編することが急務です。

【ポイント1】
管理会計が十分に
機能しているか見直す

 会計は“財務会計”“管理会計”と大きく分けて2種類あります。前者は主に外部の利害関係者に対して経営成績・財務状況などを情報提供すること、後者は収益・原価などのデータを管理し、企業内部の経営陣・社員らに対して情報開示することがそれぞれの主目的です。

Special Columns


大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

⇒バックナンバー一覧