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米国人の省エネ・環境意識にマッチした!?
エコなホテル「エレメント」が今人気の理由

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第194回】 2012年5月2日
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 最近、アメリカのホテルは「エコ度」が高くなった。たとえば、先だって泊まったホテルには、ゴミ箱が2つ。一方は普通ゴミ用、他方はリサイクルゴミ用である。

 また、「Do Not Disturb(起こさないで下さい)」以外にも、ドアノブにかける札がもうひとつあった。「今日は掃除は不要です」という札。それほど汚れてもいないのに、掃除機のための電力やシーツを洗濯するための水などを使う必要もなかろう、という客もいるらしく、ロビーでぜひ検討して欲しいと勧められた。

 タオルを交換しなくてもいい場合は、タオル掛けにかけておくのがサインになるとか、部屋に備え付けのメモ用紙や鉛筆が再生材でできているとか、部屋の中でもいろいろなところがエコ度をアピールする。最近はホテルもこうしたかたちでエコに取り組まないと、意識の低さを露呈しかねない。

 そんな中、エコに真っ正面から取り組んだホテルもある。しかも、大手チェーンのホテルである。ウェスティンやシェラトンなどのホテルブランドを持つスターウッドホテルが、「エレメント」という新しいホテルチェーンをスタートさせ、全米の都市で人気なのである。

 エレメントは、LEED認定を受けた最初のホテルチェーンである。LEEDは、省エネと環境にやさしいデザインを備えた建物を実現する方法を、いろいろなガイドラインによって示したもので、建材はもちろんのこと、太陽の自然光を活かした間取りなども評価される。ゼロからエコを意識して生まれたホテルなのである。

 室内にもいろいろ工夫がある。絨毯や家具にはリサイクル素材が使われている。

 また、バスルームでは節水仕様のシャワーヘッドやトイレを設置、シャンプーやボディソープは、備え付けのディスペンサーから利用する。節電型の照明や効率性の高い暖房装置も当然だ。ホテル側はこうした工夫で、年間5万ドルから7万5000ドルのコストカットにもなるという。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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