こんにちは、「電子書籍フォーキャスター/World Business Trend Tracker」の吉田克己です。これから数回にわたって、電子書籍マーケットの将来予測(フォーキャスト)をお届けします。初回は、ここのところの電子書籍をめぐる最新事情を整理します。

 2012年春、桜の満開に合わせるかのように、電子書籍に関する大きなニュースが立て続けに報道されました。

 アップルが米司法省に提訴、訴追されたとの報道は、読者の皆さんも記憶に新しいことでしょう。

Appleと出版大手5社を米司法省が独禁法違反の疑いで提訴(2012.04.12)

米司法省、Appleと大手出版社を電子書籍販売のエージェンシー・モデルで訴追(一部は即時和解)(2012.04.12)

 この背景、真相に関しては、「WIRED」が「電子書籍をめぐるアップルと出版社との共謀容疑:真の問題点とは(2012.04.01)」という記事で詳しく解説しています。

 アップルに関して言えば、スティーブ・ジョブズの他界以降、何かと災難に見舞われている感がありますが、もう一方の雄、アマゾンはといえば、ちょうどこの原稿を書き始めたタイミングで、日本国内の40社と合意に至ったとのニュースが流れています。

アマゾン電子書籍、40社と配信合意 学研・PHPなど(2012.04.17)

 国内勢はというと――数年前から“業界として”の取り組みを本格化させ、遅々とまでは言わないものの、いくつかの進展を見せています。

既存メディア「合従連衡」でネットに攻勢、電子書籍や動画配信で協力(2010.03.26)

電子書籍化100万点目指す 出版デジタル機構4月2日に発足 電子書籍ビジネス拡大を(2012.03.31)