あなたは職場のゴシップに加わることがあるかと問われたら、どう答えるだろうか。そんなことはしないと反論するかもしれないが、その場にはいないメンバーの評価を口にしたのであれば、それはすべてゴシップである。非公式に他人の評価をし合うことは心地よいかもしれないが、企業文化を台無しにする。本記事では、ゴシップをやめる4つの戦略を提示する。


 リーダーとチームのコーチングを行う中で、職場のゴシップに加わることがあるかと私はよく尋ねる。たいていの場合、そんな質問を受けること自体が心外だと言わんばかりの表情とともに、「加わるはずがないじゃないですか!」という答えが返ってくる。

 だが、「確認調査」に携わった経験について尋ねると、反応は違ってくる。「確認調査」とは、(1)その場にいない第三者から自分自身が被ったネガティブな経験や手こずった経験について、同僚も同じ経験をしたか確認する、あるいは、(2)その場にいない第三者に関して、同僚からそのような確認の問い合わせを受けることを指す。ほとんどのリーダーは、こうした確認調査は、実のところ職場の日常風景の一部だと認める。

 リーダーもチームも、罪のない「ストレス解消」としてとらえているか、より戦略的な「パフォーマンスデータの確認」のつもりなのかもしれない。だが、私の考えではこれも間違いなく、職場ゴシップである。

 そう考えるのは、私だけではない。ナンシー・クーランドとリサ・ホープ・ペレッドが共同執筆した研究論文Passing the Word: Toward a Model of Gossip and Power in the Workplaceによれば、ゴシップの定義は「組織内でその場にいないメンバーの評価を話題にする非公式な話し合いであり、通常は数名の間で交わされる会話」だ。

 あなたが職場で交わしている会話を思い浮かべてほしい。(1)非公式であり(「リンダのオフィスにちょっと立ち寄った」)、(2)評価を話題にしていて(「経理のダグのレスポンスが悪い点を話している」)、(3)話しているのはわずか数名で(「……マルシもここにいる」)、(4)話題の対象はその場にいない同僚(「ダグは、もちろん自分のデスクにいる!)であるとすると、あなた自身がいかに多くのゴシップに加わっていたか、そして、ゴシップの悪影響をもたらしていたかに気づくはずだ。

 ゴシップの悪影響とは、どのようなものか。たとえば信頼の低下、傷ついた感情、士気の低下、評判の失墜、公私にわたる信用の低下、不安の高まり、あつれき、そして疲弊だ。