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結婚式の花束を一生の思い出に
アフターブーケの創出者
カナックス社長 菅野 健

週刊ダイヤモンド編集部
【第189回】 2012年5月18日
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Photo by Kazutoshi Sumitomo

 結婚式の花束(ブーケ)を一生の思い出に──。

 花嫁が手にするブーケといえば、日本では、独身女性の友人へ結婚をつなぐ願かけの儀式“ブーケトス”が有名だ。だが最近は、このブーケをドライフラワーにして、結婚した二人の一生の思い出として残す「アフターブーケ」が静かなブームとなっている。

 菅野健が設立したカナックスは、1992年にこのアフターブーケの受注販売を始め、10年前に「アフターブーケ」を商標登録した。ブームの火付け役となった菅野は、「アフターブーケという言葉が日本でメジャーになってくれたらうれしい」と笑みを見せる。

 カナックスでは結婚式当日にブーケを回収、乾燥させて額装し、3~4ヵ月後にはドライフラワーとなって永遠の命が吹き込まれたアフターブーケが本人たちの手元に届く。押し花のタイプと立体的なドライフラワーの2種類があり、それぞれ価格は5万円前後だ。すべて手作業で、例えば押し花なら、1枚1枚分解した後に乾燥してプレスするなど丁寧に作り上げられる。

 趣味でドライフラワーを作る人は多いが、事業化するに当たって菅野が技術面で苦心したのが、花の水分を抜くスピードだった。これがうまくいくと、乾燥後も生花の鮮やかな色彩を再現できる。花の種類によって水分が抜けるスピードが違うため、現場でコツコツと実験を繰り返した。

 現在は、東京、大阪、ハワイの3拠点で事業展開しており、年間3万件弱の仕事を受注している。

自ら市場開拓できる
まだ概念すらないニッチな仕事を創出

 もともと独立志向の強かった菅野は、20代前半からいくつもの事業を立ち上げた。そして失敗も繰り返した。

 菅野が過去に事業化したのは、テレマーケティング、広告業、土地活用の立体駐車場、ハーブ栽培の工場など数知れない。数々の起業と失敗の中で菅野が学んだ教訓は、「ゲームでいえば自分自身が親になれる事業、カードを切る立場になれるビジネスをやろう」ということだった。

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