「人を動かす」ためには。

長島 やっぱり、人を大事にされますよね。すべての文脈から、それが出て来ている。

足立 会った人は、すべて財産ですから。

長島 日本マクドナルドのくだりでも、フランチャイズの人からも愛されていたでしょう。現場を大事にされていたから。ただ飲んでるんじゃないですよね。本部とフランチャイズがそんなに親しくないケースはよくありますから。

足立 フランチャイズのみなさんは、日本マクドナルドのビジネスにとって明確なステークホルダーであり、とても大切な存在なんです。でも、僕が入社したときは、どうしようかと思うくらい、険悪な雰囲気で(笑)。業績が厳しかったですから。

長島 それはよくあることです。

足立 だったので、どうやって飲んで笑ってもらおうか、を考えていて。それと、後からフランチャイズの皆さんに言われたのは、私は隠しごとをしなかった、ということでした。「これやります」「これやりません」というのも、その場で判断しましたから。
 普通、何か提案されると「持ち帰って提案します」とやるじゃないですか。それは一切やらなかった。その場で「やります」「こういう理由でやりません」と建設的に言ったので、それが正直だ、と受け止められたみたいですね。

長島 辞めたときには、お疲れ卒業会が何ヵ月も続いていたでしょう。フランチャイズの人からも。

足立 外部から来たマーケティング本部長の送別会なんて、フランチャイズ史上、初めてだったそうです。本当にありがたい話です。5月末から3ヵ月間、ずっとお別れ会をして頂いたので(笑)、なかなかに太りました(笑)。ただ、僕の中では大きな転機はやっぱりコンサル時代なんですよ。P&Gから移ったときは、衝撃を受けましたから。

なぜあんなに次々とヒットを飛ばせたのか? ローランド・ベルガー オフィスにて