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入門 ブランドで競争する技術
【第3回】 2012年6月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
河合 拓 [ハンズオン型 経営コンサルティング会社 ジェネックスパートナーズ(旧ジェミニコンサルティング)取締役 シニア・パートナー]

思わず食べたくなる
ラーメン店のブランド戦略を考える

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『ブランドで競争する技術』の入門編の短期連載。その最終回は、私たちにとって身近なラーメン店のブランド戦略について考えます。ラーメン店同士の熾烈な競争の中で、ブランドはどのように機能するのでしょうか。

ラーメン戦争にもブランドがある

 私の住んでいる街にも、沢山のラーメン店があります。日本人はラーメンが大好きなので、新しい店ができるたびに行列をなすのですが、5年もするとその多くが潰れ、生き残るラーメン店は数軒になります。「生き残るラーメン店」と「消えてなくなるラーメン店」の違いから、「ブランド」について考えてみましょう。

 私の経験では、潰れる間際のラーメン店は、度重なるコストダウンで、具材は薄く小さくなり、従業員は素人のアルバイトが増え、オーダー忘れなどのサービス低下が目立ち、客離れを招きます。こうなると、ラーメン店のオーナーはさらなるコストダウンを図り、その結果、さらにお客様は店から離れて行く悪循環に陥ります。

 一方、売れているラーメン店は、食べ終わった後に、お客様はいつも「コスパ」(コスト・パフォーマンス)を感じます。大盛りに盛り付けられた野菜や焼豚などのトッピング、普通では食べられないほどコクのあるスープなどです。これらは顧客に対して、他のラーメン店と異なる明確な差別性と、払ったお金以上の満足感を感じさせます。

 「他店との差別性」と「コスト以上の価値(コスパ)」を感じるラーメン店には、お客様はリピーターとなりファンになっていきます。そしていつしか、そのラーメン店はチェーン展開を始めますが、お客様は「同じのれん」であれば、初めて行く店舗であっても自然にチェーン店に足を向けます。なぜなら、お客様にとって成功しているラーメン店の「のれん」は「価値の品質保証」であり、それこそが「ブランド」だからです。「ラーメン二郎」「天下一品」「ホープ軒」など、全国チェーン展開に成功したラーメン店は等しく、こうした歴史と実績の上に成り立っているのはご存じの通りです。

 このラーメン店のブランド化のストーリーを「当たり前じゃないか」と感じる人は多いかもしれません。しかし、現実にはその「当たり前」は正しく理解されず、場合によっては、ほとんど実現もされていないのです。

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河合 拓 [ハンズオン型 経営コンサルティング会社 ジェネックスパートナーズ(旧ジェミニコンサルティング)取締役 シニア・パートナー]

小売業、商社など流通、卸売業全般にわたり、事業戦略策定と実行支援など数多くの成果実現の実績を持つ。コンサルタントとして11年の経験を有し、それ以前に総合商社にて繊維・アパレルビジネスに9年間従事。欧米、アジア全域にわたり海外営業を経験。専門誌を中心に執筆多数。政策学校一新塾(大前研一創設)の卒塾生であり、現在、講師(2003年~2012年)、および、政策指導、社会起業アドバイザーを務める。

 


入門 ブランドで競争する技術

デフレ経済下で終わりのない安売り競争が続いていることが、元気のない日本の原因のひとつになっています。そこで必要になるのがブランドです。ブランドなくして市場の勝ち組にはなれないにもかかわらず、日本のビジネスマンはブランドを使いこなすのが苦手。そんな状況を少しでも改善しようと出版された『ブランドで競争する技術』の著者・河合拓氏に、強いブランドをつくり、ブランドで闘う方法の入門編を解説してもらいます。

「入門 ブランドで競争する技術」

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