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スマートフォンの理想と現実

職場での私物デバイス使用「BYOD」をどう扱う?
スマホ時代の情報セキュリティで問われる“本質論”

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第27回】 2012年6月7日
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 この週末、「政府が私物スマートフォンの業務使用解禁」というニュースが流れた。

 まず興味深かったのが、ネットでの反応。ちょうど在日中国大使館の一等書記官によるスパイ活動の嫌疑が盛り上がったところでもあり、「大丈夫なのか?」という反応がある一方、「もっと早く取り組むべき」「これで民間も追随するのでは」という声も少なくなかった。

 一方、マスメディアはどうか。すべてを確認できたわけではないが、こちらはあまり大きな扱いにはなっていないようである。野田-小沢会談、サッカー日本代表の勝利、そしてオウム真理教元幹部の菊地直子容疑者の逮捕と、週明けの紙面を飾るネタには事欠かなかったし、それらに比べればいささか地味な話題であることも影響したのかもしれない。

 このあたりが本件の日本社会の今日的な空気かと思う。おそらく、興味を持つ人は「使えればいいな」と少なからず思っているものの、そもそも本件に興味を持つ人自体がまだそう多くはなく、興味のない人にとってはどちらでもいい、というあたりなのだろう。

 しかしこの話、そこでオチをつけるには、少々もったいない。もしかすると、今後の日本の情報社会の姿を変える、大きなきっかけとなるかもしれない。それくらいの潜在的なインパクトが秘められていると、私は考えている。

なかなか進まないBYOD

 まず事実関係の確認から。本稿執筆時点ではまだ政府から正式な発表はなされていないので、報道記事を引用する。短い記事なので、全文引用をご容赦いただきたい。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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