この週末、「政府が私物スマートフォンの業務使用解禁」というニュースが流れた。
まず興味深かったのが、ネットでの反応。ちょうど在日中国大使館の一等書記官によるスパイ活動の嫌疑が盛り上がったところでもあり、「大丈夫なのか?」という反応がある一方、「もっと早く取り組むべき」「これで民間も追随するのでは」という声も少なくなかった。
一方、マスメディアはどうか。すべてを確認できたわけではないが、こちらはあまり大きな扱いにはなっていないようである。野田-小沢会談、サッカー日本代表の勝利、そしてオウム真理教元幹部の菊地直子容疑者の逮捕と、週明けの紙面を飾るネタには事欠かなかったし、それらに比べればいささか地味な話題であることも影響したのかもしれない。
このあたりが本件の日本社会の今日的な空気かと思う。おそらく、興味を持つ人は「使えればいいな」と少なからず思っているものの、そもそも本件に興味を持つ人自体がまだそう多くはなく、興味のない人にとってはどちらでもいい、というあたりなのだろう。
しかしこの話、そこでオチをつけるには、少々もったいない。もしかすると、今後の日本の情報社会の姿を変える、大きなきっかけとなるかもしれない。それくらいの潜在的なインパクトが秘められていると、私は考えている。
なかなか進まないBYOD
まず事実関係の確認から。本稿執筆時点ではまだ政府から正式な発表はなされていないので、報道記事を引用する。短い記事なので、全文引用をご容赦いただきたい。