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香山リカの「ほどほど論」のススメ
【第32回】 2012年6月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

クリーンすぎる人間関係に注意

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「SNS疲れ」にほっとしてしまう自分

 私はつくづく自分が古いタイプの人間なんだなあ、と思います。つい最近もそう思いました。

 というのも、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)本家アメリカで「SNS疲れ」が進行している――とニュースを見つけた時、内心ほっとしてしまった自分を発見したからです。ああ、自分だけじゃないんだ。疲れている人は他にもいるんだ。そう思ってしまったわけです。

 記事によると、アメリカのFacebookのユーザー数は去年から減り始めているのだとか。メッセージを送ったり、新たに友人を探し出したりといったアクティブな行動自体も5~15%減退しているそうです。日本でも「Facebookを利用することにストレスを感じている」人が68.4%もいるというアンケート結果もあるらしい(ジャストシステム調べ)。

 そういえば、一時はあれほどのブームだったmixiも、去年からユーザー数が横ばいになっていると聞きました。経営もかんばしくないのか、mixi自体は否定しているものの、今年5月には身売りの噂もあったように思います。いわれてみれば、確かに私のまわりの学生たちもいつからかあまりmixiの話をしなくなりました。

 このめまぐるしい変化の背景にあるものは何なのでしょう。

 単純に夢中になりすぎて、飽きてしまったということもあるでしょう。

 しかし、考えるに、私たちはSNSによってもたらされる人間関係に、まだ慣れていないのかもしれません。そのため、意識的にせよ、無意識的にせよ、ストレスや息苦しさを感じてしまう。そして離れていってしまう。

 ブームが起こっては冷めていく背景には、こういう要因があると思います。

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香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

1960年北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒業。豊富な臨床経験を生かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。著書に『しがみつかない生き方』『親子という病』など多数。


香山リカの「ほどほど論」のススメ

好評連載「香山リカの『こころの復興』で大切なこと」が終了し、今回からテーマも一新して再開します。取り上げるのは、社会や人の考えに蔓延している「白黒」つけたがる二者択一思考です。デジタルは「0」か「1」ですが、人が営む社会の問題は、「白黒」つけにくい問題が多いはずです。しかし、いまの日本では何事も白黒つけたがる発想が散見されるのではないでしょうか。このような現象に精神科医の香山リカさんが問題提起をします。名づけて「ほどほど」論。

「香山リカの「ほどほど論」のススメ」

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