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China Report 中国は今

中国-労働集約型産業=「?」
製造業の空洞化はむしろ中国の問題だ

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第101回】 2012年6月15日
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 中国はどうなるのか――2020年の未来像をめぐって、中国国内でも大激論が展開している。中でも、一部の専門家やメディアが懸念し始めているのが、中国における労働集約型企業の行方だ。

空洞化が始まる中国製造業
米企業は「自国回帰」も

 中国内陸部で自動車向けの部品を製造する、ある日本人経営者がいる。2000年に工場を稼働させて以来、艱難辛苦に揉まれながらも手塩にかけて人と現場を育て上げた。

 だが、彼がいま手を打っているのは、ミャンマーへの拠点シフトであり、その理由をこう話す。

 「人手が集まらない」

 中国の魅力は、何と言っても「コスト競争力」だった。しかし、ここで生産活動をする外資企業は、競争力がなくなり魅力を失った中国に背を向け、工場の流出を加速させている。日系企業はチャイナネクストを求めて、アジアの途上国を漂流している。

 中国からの脱出は日本企業だけではない。

 アメリカは自国への回帰を始めている。特に機械、電子機器、コンピューター関連など、家電を中心とした製造業がアメリカに戻る傾向が強い。

 ボストンコンサルティングが106社を対象に行った調査によれば、37%が「中国から引き揚げる、もしくはそれを前向きに検討」と回答し、その要因について57%の企業が「労働コスト」と回答している。

 だが、結果はアメリカ経済にとって追い風ともなる。アメリカの製造業においては200万~300万人の雇用が創出され、年間1000億ドルの生産高がもたらされるという予測があるのだ。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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