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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

自己満足に終わるキャンペーン型マネジメント

上田惇生
【第84回】 2008年8月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
現代の経営
ダイヤモンド社刊
1800円(税別)

 「危機感をあおるマネジメントや、キャンペーンによるマネジメントを行ってはならない」(『現代の経営』)

 マネジメントするには、目標が必要である。大きく括れば、本業において社会に貢献し、働く者の自己実現の場となり、あらゆる意味において社会の役に立つことである。

 具体的には、マーケティング、イノベーション、生産性、人、物、カネの確保と活用、社会的責任の遂行である。これらのものすべてが必要である。このドラッカーの認識を基盤に発展した経営手法が、最新の業績評価システム、バランススコアカードだった。

 そのようなドラッカーが、キャンペーン型のマネジメントを嫌うのは、当然といえば当然である。

 キャンペーンが終わって3週間もすれば、元に戻ることは皆が知っている。半ば予期もしている。経費節減キャンペーンにしても、使い走りの男の子やタイピストが解雇され、高額年収の役員が手紙のタイプという週給の仕事を自ら行わなければならなくなるだけだという。

 キャンペーンによるマネジメントが無益だという自明の結論を出している組織の少なさを、ドラッカーは嘆く。しかもそれは、無益なだけでなく、人を間違った方向に導く。

 「キャンペーンによるマネジメントを行っている組織では、キャンペーンにしたがって本来の仕事の手を抜くか、キャンペーンをサボって本来の仕事をするしかない」(『現代の経営』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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