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金融市場異論百出

ギリシャ人は自ら勤勉と認識
被害者意識を高める恐れも

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年6月27日
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 6月17日の選挙で、ギリシャ国民はユーロからの離脱を選択しなかった。しかし、ギリシャで緊縮策への不満が先行き再び噴出するリスクは残っている。

 一方、EU主要国の政策決定者の間で、この春以降、「ギリシャ異質論」を言う人が増えている。従来寛容な姿勢を見せていたフランス人でさえ、「ギリシャ人を理解することは難しい」と言うようになった。ユーロ加盟国の中に、気質が理解されない国が出てくると、その国を援助し続けることは基本的に難しくなるだろう。

 Pew Research Centerが5月29日に発表した欧州で行ったアンケートに、「ギリシャ異質論」をサポートする結果が表れていた。

 「EU内で最も勤勉な国はどこ?」という質問に、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ポーランド、チェコの人々は、ドイツを1位に挙げた。しかし、衝撃的なことに、ギリシャ人はギリシャを1位にした。逆に「最も怠惰(非勤勉)な国はどこか?」という質問には、ドイツ人の60%がギリシャと答えた。圧倒的な1位である。しかし、ギリシャ人は、イタリアを1位に挙げた。

 こういった大きな認識のずれは、先行きのEUによるギリシャ救済を困難にするだろう。EUのコア国がギリシャに財政再建計画を守れと迫れば迫るほど、ギリシャ人は「欧州一まじめに働いているのに、これ以上どうやって財政再建を進めるのだ?」と被害者意識を高める恐れがある。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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