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カモもガチョウも食べなくなったから!?
中国の嗜好変化で起こる布団の合繊シフト

週刊ダイヤモンド編集部
2012年7月6日
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 梅雨も中盤に差し掛かり、いよいよ夏本番だ。冬用の布団はとっくに押し入れにしまい込んだという人も多いだろうが、寝具業界ではすでに次の冬を見込んで、戦々恐々としている。布団に詰める羽毛の価格が、歴史的な高騰をしているからだ。

 羽毛原料の調達やメーカーとの製品共同開発を手掛ける、伊藤忠商事繊維カンパニー繊維資材ライフスタイル第四課課長の石井匡彦氏は、「2009年頃の価格から3倍以上に跳ね上がっているものもあり、現在、過去最高値だろう」と、天を仰ぐ。

 一般的に価格の指標とされる羽毛ダウン比率85%の白ダックものの価格は、09年の春は1キログラムあたり15ドル前後で取引されていたが、徐々に上昇し、現在では1キログラムあたり45~50ドルの間を推移している。

 「すでに契約済みの分も価格を吊り上げられる」(業界関係者)事態まで起きているという。

 羽毛は、掛け布団の中身として使用される、布団の主要材料だ。だが、競合がひしめく寝具市場で最終製品へのコストの転嫁は簡単ではない。羽毛価格の高騰は、寝具業界の頭痛のタネとなっている。

 価格高騰の要因に挙げられているのが中国だ。急速な経済成長とともに高級品志向が強まり、中国での「高級なダウンジャケットや羽毛布団の需要が高まっている」(石井氏)という。

 だが、より大きなインパクトをもたらしているのは、中国の食卓事情の変化だ。

 中国は現在、羽毛原料となるカモを約20億羽、ガチョウを約2億羽を飼育する、世界でも圧倒的な羽毛原料供給国である。ただ、羽毛の原料は、食用のカモやガチョウの肉の副産物で、産出量は常に食用の需要に左右される。

 ところが、古くからカモやガチョウを食べる食文化を持つ中国で、近年、中国人の肉の嗜好が「柔らかくて旨味のある牛肉や豚肉にシフトしている」(石井氏)ため、飼育数が激減しているという。

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