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出口治明の提言:日本の優先順位

リーダーシップを考える――「思い」「共感力」「統率力」の3つが必要不可欠

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第55回】 2012年7月10日
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 野田首相、谷垣総裁、橋下市長など、わが国の政治リーダーの立ち居振る舞いを巡って、リーダー論が姦しい。そこで、今回はリーダーシップについて考えてみたい。

リーダーの3要件

 リーダーの要件として何が必要か。「思い」「共感力」「統率力」の3つが必要不可欠であると考える。

 社長が、あるプロジェクトを起案し、そのリーダーにある役員を指名したとしよう。その役員が、「こんな難しいプロジェクトのリーダーは嫌だ。でも、社長の命令だから仕方がない。ここは、一先ず、適当に波風立てずにやるしかないか」等と考えたと仮定しよう。そんな役員の下で働くプロジェクトメンバーが、奮い立つはずがない。リーダーに真っ先に何よりも求められることは、「自分は、これだけは何としてもやり遂げたい」という強い「思い」があるかないかということである。

 筆者は、日頃から、生きること、即ち、働くことは、「世界経営計画のサブシステムを生きること」だと考えている。分かりやすく言い換えれば、「この世界をどのようなものとして理解し、どこを変えたいと思い、自分はその中でどの部分を受け持って生きるのか」ということである。

 もちろん、世界の森羅万象を正しく理解するためには、一定のリベラルアーツの知見が不可欠であることは、言を俟たないが。何れにせよ、これに従えば、リーダーに必要な「思い」とは、何よりも「世界経営計画のサブシステム」がはっきりと明確に自覚されていることだと考える。

 次に、何事かを成し遂げるためには、ほとんどの場合、他人の助けを借りる必要がある。つまり、リーダーは長い旅を共にする仲間を集めなければならない。仲間を集めるためには、リーダーが自らの「思い」を正直に吐露し、説明・説得して仲間を自らの思いに共感させる必要がある。即ち、リーダーの2つ目の要件は、強い「共感力」を持つことではないか。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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