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原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

ロンドン・オリンピックへ
「魔法の砲丸」の提供を断念!【前編】
辻谷工業・辻谷政久社長が示した名工の魂と矜持

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第29回】 2012年7月13日
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つじたに まさひさ/1933年東京都生まれ。53年聖橋工業高校(定時制)卒業、59年辻谷工業設立、83年有限会社・辻谷工業として会社設立。家族で経営する小さな町工場として、陸上用スポーツ器具、レジャー用品、その他各種部品を設計・製造し、現在にに至る。

いよいよ7月27日から、ロンドン・オリンピックが始まる。もちろんオリンピックの主役はアスリートたちだが、オリンピックへの出場を辞退したことで、注目を浴びている町工場がある。埼玉県志木市にある辻谷工業がそれだ。実は、1996年のアトランタ、2000年のシドニー、04年のアテネと3大会連続で、辻谷工業が製造した砲丸を使用した選手が、金・銀・銅のメダルを独占したのだ。「世界一の魔法の砲丸」と呼ばれる、この砲丸を作ったのが、同工業の辻谷政久社長である。

08年の北京には、中国の人権侵害行為などに思うところがあって、砲丸を提供しなかった。当然、だれもがロンドンでは復活と思っていたのに、ロンドンには出さないというのだ。イギリスの国営放送であるBBC、米国のタイム誌やCNNも、その件について取材にきた。
(ダイヤモンド・オンライン編集長 原英次郎、ダイヤモンド社書籍編集局第2編集部副編集長 寺田庸二)

なぜロンドン五輪への
砲丸の提供をやめたか

辻谷 ええ、やめました。北京オリンピックのときに、僕の代わりに日本の他の会社が、変なものを出しちゃったんですよ。僕が出さないから、これはチャンスだっていうので。それで日本製品が信用を落としてしまった。人間でも製品でも一度信用を落とすと、回復するのは大変です。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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