自分らしく働くために、「いつでも転職できる状態」をつくるには自分軸で自分らしく働くためには、「転職力」が欠かせない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 本書『「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方』のテーマは、ビジネスパーソンなら誰でも一度は意識したことがあるだろう「転職」だ。著者である人事・戦略コンサルタントの松本利明氏は、大学生から50歳を超えるベテランのビジネスパーソンまで、さまざまな人と接してきた。その中で、このままこの会社にいてもいいのか、とモヤモヤを抱える人が多いことに気づいたという。その理由の1つは、働くことに対して「選択肢」が多すぎることにある。特に転職のような、いわばキャリアの節目では、短期間で判断を迫られる場合も多い。周囲の人に相談しようとしても、相手はその人自身の利害に基づいて語るため、客観的な意見をもらえることは稀だといっていい。

 これからの職業人生をどのように決めていくか。そもそも判断基準となる「自分軸」が明確でないという人も少なくないだろう。

 本書の目的は、あなたの市場価値、やりがい、報酬に対して、長期にわたる不安を一掃することだ。自分軸で自分らしく働くためには、「転職力」が欠かせない。ではその転職力とは普段からどうすれば鍛えられるのか?本書から具体的な方策を学び、考えを巡らせてみれば、今すぐ転職する・しないにかかわらず、今後につながるチャンスや実績を増やしやすくなるだろう。いつでも転職ができる状態でいること自体が、自分らしく働くための武器になるのだ。自分のキャリアにモヤモヤを抱える方は、ぜひ本書を読んでみてほしい。(池田明季哉)