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美人のもと

だんご虫

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第136回】 2012年7月23日
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 大型スーパーマーケットも全国に広がり、私たちの生活にすっかり溶け込んだ。冷蔵庫も大きくなり、買いだめも習慣化してきている。

 そんな買物に欠かせないのがショッピングカートだ。籠ではなくカート。押しながら買物する。持つのではなく押す。

 美人はカートを押すと際立つ。

 混んでいる夕方のスーパーの中でも目立っている。遠くからでもそれがわかる。

 なぜ目立つのか。それは、大きく見えるからだ。別に背が高いという話ではない。普段の身長のまま歩いているだけの話である。

 モノの押し方がうまい。重いものを押す時の姿勢がいい。力の入れ方を知っているのだろう。少し胸をはる感じで背筋が伸びる。同時に脇をしめている。見ていてかっこいい。この押し方をカートでもやっている。普段姿勢のいい美人がさらにスラリとして見える。

 欧米式のカートであるが、通路は従来の日本式のままで狭いスーパーが多く、カートは時々邪魔物になる。そのなかで美人は周りを見渡すことも忘れることなく、「流れ」をきちんと読んでいる。

 一方で、この逆をやる人が結構いる。急に止まったり、逆走したり、カートを通路の真ん中に放置したり、迷惑をかけるような使い方をする。

 こういう人たちには共通点がある。背中を丸めて押しているのだ。へっぴり腰で小さくなって押す。その姿は一生懸命押しているように見える。実際顔も険しい。だが、その必死さが空回りしているのだ。ヘンな力の入れ方をしていて、操作もおかしい。コーナリングが苦手だ。丸まって押しながら、手だけで曲がろうとする。

 背中を丸めて押す人たち。だんご虫だ。何をおびえているのか。だんご虫になると、小さくなるため、見渡しも悪く、他人に迷惑をかける動き方をしてしまう。迷惑をかけていることに気づくことも少ない。小さくなって見つけにくいので、知り合いや夫婦で来ているだんご虫は迷子になってしまい、一人イライラして迷走をしてしまう。

 だんご虫は、カートの中の物が増えていくたびに丸まっていく。レジ前ではだんご虫が集会を開いているように見える。レジ前で待つ時に周辺を見回してみよう。自分がその集会に参加していなかったか。そして、背筋を伸ばして押してみる。いつもより楽に押せる実感をするはずだ。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


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『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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