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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

東急ハンズと牛丼に日本の国力を見た!
「内なる発信」を強化せよ!

加藤嘉一
【第16回】 2012年7月23日
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フリスビーで遊んだときのこと

フリスビーに夢中の加藤嘉一氏。東京、代々木公園にて。Photo by DOL

 「フリスビー、ありますか?」

 7月14日の昼下がり。東急ハンズ新宿店の2階で、男性店員に尋ねた。一時帰国中だった私は、久しぶりに一日だけ休みが取れたので、友人と体を動かしながら遊ぼうと計画していた。

 店員さんは一瞬ひるんだ。「バッグ&トラベル、サイクル」フロアの2階で、フリスビーの陳列棚の場所を聞かれることなど、そう多くはないのだろう。しかし、その店員さんはすぐに、「フリスビーですね、8階にございます」と、笑顔で対応してくれた。深々とお辞儀までされ、逆にこちらが恐縮してしまった。

 「日本はやっぱりすごいなあ。2階にいる店員さんが、8階にあるものまで詳細を把握しているんだから。しかも、フリスビーだよ?」

 店員さんに御礼を述べて、エレベーターに乗り込みながら、隣にいた友人に感慨を漏らした。サービスのプロとはこのことだ、と改めて感じた。

 買い物を終えた友人と私は東急ハンズを後にし、代々木公園へ向かった。帰国時にランニングでよく来る場所だ。きちんと整備された緑いっぱいの公園は、ランナーにとっての聖地といっていい。

 その日、代々木公園ではキャッチボールに夢中になるカップル、サッカーを楽しむ親子、フリスビーに汗を流す男性集団もいた。笑い声が絶えない。皆、周りを気遣い、距離感を保って、思い思いの楽しい時間を過ごしていた。ほかのペアーがミスしたボールが飛んで来れば、率先して拾ってあげていた。拾ってもらった側は、「ありがとうございます!」と御礼を言う。拾ってあげた側は、ちょっと照れくさそうに笑う。

 「やっぱり、日本っていいな。日本人として生まれてきてよかったな」

 そう思わずにはいられなかった。

 私と友人も、まるで子どもの頃に戻ったかのように、無邪気にフリスビーを投げて遊んだ。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

 「だったら、お前がやれ!」
この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。もともと、この言葉は加藤嘉一氏の亡くなった父の口癖だったが、加藤氏は自らの行動規範として常に心に留めている。相手に対して意見するとき、必ず自らに問いかける。
そんな加藤氏が今、憂いているのは、日本社会にあまりにも無責任な批判、意見、論評が多いということだ。本連載では、日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示す。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る」

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