欧米Eコマースの世界では、売り手側にセレクトを任せるキュレーション型ショッピングサイトが盛んになっている。日本でも、洋服・化粧品など、消費者の嗜好やライフスタイルに応じて、プロが目利きした商品を届けてくれるサービスは、これからのECの要になりそうな気配だ。
「Trunk Club」は、男性向けのファッション通販サイト。専属のスタイリストがスカイプで個別相談に乗り、ユーザー向けに選んだ洋服をトランクに詰めて宅配するサービスだ。気に入れば購入、気にいらなければ返品OKというシステムで、2009年のリリース以来、成長を続けている。
愛用のブランドを持つようなファッション通でない限り、男性にとって洋服を買いにいくという行為は案外面倒くさいものだ。忙しいビジネスマンならなおさらだろう。オンラインショッピングは便利だが、巨大モールの膨大な商品群を前に、疲れてしまった経験をお持ちの方も少なくないのでは? 筆者は女性だが、「誰か代わりに選んでほしい」と心中つぶやくこともある。
そんな悩みに目を付けた、ちょっと異色のサイトが人気を呼んでいる。
「メンズファッション+」は、なんと「非モテ男性」を対象とするEC。キャッチフレーズは「失敗しない無難な男性服のファッション通販サイト」だ。おしゃれ情報に疎く、デートや合コンでつい「オタクコーデ」になってしまう男性をターゲットにしている。
サービスの要は、スタイリストが全身コーディネートした洋服をセットで買うことができる点だ。名付けて「マネキン買い」。モテるためにはどんな服を選び、どう組み合わせれば良いのか。その面倒な作業をプロに一任というわけだ。