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田中秀征 政権ウォッチ

オスプレイ配備への過程は原発再稼働とそっくり
“官意”に従う野田首相の「決める政治」

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第143回】 2012年7月26日
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 7月23日、12機のオスプレイが列島に渦巻く反対や不安の声を押し切って、予定通り岩国基地に陸揚げされた。

 野田佳彦首相は24日の国会答弁で「安全確認ができなければ飛行・運用をさせない」と言い切った。事態の深刻さをようやく察知したのだろう。しかし、この答弁も今までの発言と比べて本質は変わっていない。

拙速なオスプレイ配備が
むしろ日米関係を揺るがす恐れも

 今までは、オスプレイ配備は装備の重要な変更ではないから事前協議の対象ではない。だから日本側にこれを中止する何らの権限もなく、「日本がどうしろこうしろという話ではない」(首相)と突き放してきた。

 しかし、この問題はもはや法的問題の域を越えて、社会的、政治的問題に発展している。すなわち、日米合同委員会での協議と言うより、日米首脳の政治協議の対象になる雲行きだ。

 オスプレイの飛行訓練による墜落事故の危険、低空飛行がもたらす騒音や圧迫感。米国内でさえ強い反対運動が起きている。日本列島のほぼ全域で訓練飛行が予定されているから、日に日に全国的な不安が高まっているのは当然だ。

 オスプレイが岩国基地に搬入された直後、森本敏防衛相は「ホッとしている」と語った。

 オスプレイ配備が米軍再編の核心部分と認識する防衛相がそう言うのは理解できなくもない。

 だが、この問題は短絡的に安全保障政策の次元で考えるべきではない。ことは何よりも「安全性」と「生活侵害」の問題なのである。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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