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38歳イチローに見る中高年の“本懐”の遂げ方
不確実性の時代に「悔いのない道」を選ぶには?

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第236回】 2012年7月31日
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なぜ、自らチームに打診したのか?
予想しなかったイチローの電撃移籍

 7月24日、誰もが予想しなかったイチロー選手の移籍が発表された。今年38歳を迎えるイチロー選手が、米大リーグに来てから11年間在籍したシアトル・マリナーズからニューヨーク・ヤンキースにトレードされたのである。

 トレードが発表されるとすぐに、イチローはヤンキースのユニフォームを着て、ヤンキースの一員としてプレーしている。まさに「電撃トレード」とはこのことだ。

 報道によると、今回のトレードは球団側からではなく、イチロー本人から球団に打診があり、マリナーズとヤンキースの間で1日という短時間でまとめられたという。

 イチローはヤンキースへの移籍に当たって、(1)打線の中で下位の打順になること、(2)控えになることもあり得ること、(3)守備位置が限定されないこと、という3つの条件を全て容認したという。イチローとしては、こうした条件をのんでも移籍を実現したかったということだ。

 今回の移籍の背景には、マリナーズのGM(ゼネラル・マネジャー)が変わったことによって、チーム編成が若手に切り替わっていることがあるようだ。イチローからすれば、そうした環境変化の中で、自分自身のモチベーションを維持することは難しかったのだろう。イチロー自身としては、「自分が好きな野球を最後まで一生懸命やりたかった」というのが本音だと思う。

 「自分のやりたいことを、最後の最後まで緊張感を持ってやりたい」。これこそ、イチローに限らず、男子の本懐だ。その本懐を果たそうとする姿勢こそ、イチローのイチローたる所以と言える。世の中高年層には、イチローの姿が羨ましくも、眩しくも見える。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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