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山崎元のマルチスコープ

日本経済を活性化し、
もっと楽しくするための処方箋

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第242回】 2012年8月1日
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日本経済の過去30年を総括する
せめてもう少し活力を取り戻すには?

 猛暑かつ五輪期間中ということでもあり、大まかな話をしよう。今回のテーマは、日本経済活性化のための処方箋だ。最終的な目的を「成長」に置くか「幸福」に置くかといった、厳密には重要だが、結論の出にくい問題を棚上げしつつ、「日本経済が、せめてもう少し活力を増すような方策はないか?」と考えてみたい。

 バブル崩壊後20年にわたる、日本経済の停滞の原因は何か。経済政策の間違いや、グローバルな要因などもあったが、民間企業に十分な活力がなかったことが直接的な原因だと筆者は考えている。

 筆者がビジネスマンになったのは、約30年前のことだが、この期間を10年単位で振り返ると、それぞれ以下のように総括できると思う。

 1980年代は、後半にバブルがあり、日本の企業は実力以上の成果が上がった。1980年代前半にあって、多くの日本の企業で、今日まで引っ張っているビジネス・モデルがだいたい出揃っていたし、組織や経営は随分硬直化していた。

 今と同じ「大企業病」は、すでにこの頃からあった。しかし、バブルによる需要増で、多くの日本企業は、「そのままの形」で一時的な繁忙を迎え、利益を拡大し、必要な改善・改革を怠った。

 日本のその後の停滞と繁栄を分けたポイントは、1980年代にあったというのが、筆者の実感だ。学生の就職人気などを見ても、昔の人気大企業の多くが、今もそのまま人気企業だ。そして、この経済界の新陳代謝の乏しさが大きな問題だ。

 1990年代は、企業がバブル崩壊への対応に追われた時代だ。株価が下がり、地価が下がる。やがては、金融システムに危機が及び、需要も停滞した。

 この時期、多くの日本企業は、バブル崩壊という未曾有の事態に直面し、生き残りに精一杯だった。80年代にはすでに古くなっていたビジネス・モデルや経営のあり方をこの時期に改革せよというのは酷だったかも知れないが、手は打つべきだった。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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