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野口悠紀雄の「経済大転換論」

欧州金融危機で巨額の資金流出入

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第29回】 2012年8月2日
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 6月末の欧州連合(EU)首脳会議で、スペインの銀行支援に関する合意がなされたため、金融市場は小康状態を続けてきた。しかし、ここにきて警戒が再び強まっている。

 このため、スペインやギリシャからの資金流出が増え、他方で、安全資産とみなされる主要国の債券への資金流入が増加している。

 スペイン地方政府の財政悪化の懸念から、同国の10年物国債利回りは、ユーロ導入後の最高水準になった。ギリシャ支援の不透明感もあり、リスク回避が強まっている。

 他方で、アメリカ10年物国債利回りは、一時1.39%と過去最低を更新した。ドイツの2年債利回りもマイナス0.06%と12営業日連続でマイナスになった。

 日本への資金流入も続いている。以下では、日本の国際収支における証券投資の動向を見ることによって、この動向をあとづけておこう。

2011年に増加した
短期債の対内投資

 2011年における資本収支のうち、投資収支の内訳は、【図表1】に示すとおりである。

 以下では、このうちの証券投資の動向を見よう。

 証券投資は、対外投資と対内投資、中長期債と短期債の区別がなされる。ここで、「対外投資」とは、居住者による非居住者発行証券への投資であり、「対内投資」とは、非居住者による居住者発行証券への投資である。この統計において、プラスは資本の流入(対外証券投資の減少、または対内証券投資の増加)を示し、マイナスは資本の流出(対外証券投資の増加、または対内証券投資の減少)を示す。短期債は期間1年以下の債券である。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄の「経済大転換論」

日本経済は今、戦後もっとも大きな転換期にさしかかっている。日本の成長を支えてきた自動車業界や電機業界などの製造業の衰退は著しく、人口減や高齢化も進む。日本経済の前提が大きく崩れている今、日本経済はどう転換すべきなのだろうか。野口悠紀雄氏が解説する。

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