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【第54回】 2012年8月8日
著者・コラム紹介
待兼音二郎

「まとめサイト」はメディアの新星?それともキワモノ?――調査から浮かび上がるその利用実態

 「まとめサイト」がニュースメディアとして存在感を増しつつある。このほど公開された利用実態調査報告から、若者だけでなく幅広い年齢層に恒常的なウォッチャーがいることが明らかになった。

「まとめサイト」の利用経験は男女とも若年層では6割以上。
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 調査は、電通パブリックリレーションズ社が首都圏/近畿圏の男女1万人を対象に実施したもの。利用経験ありと回答した人の中から1200人(男女600人ずつ)に再調査が行われ、細かな利用実態についての回答が集計・分析の上で公表された。

 詳細データについてはプレスリリースやレポートPDFをご覧いただきたいが、全般的な傾向として浮かび上がるのは、やはり若年層ほど利用率が高いということ。利用経験率は全年齢層では36.5%だが、男性は20代の73.1%を、女性は10代(15~19歳)の64.9%をピークに階段状に下がっていき、60歳以上では男女とも10%程度までになる。5割を切るラインが男性40代、女性30代からなので、働き盛り/子育て盛り世代以上では、「名前はよく聞くけど……」くらいの人がまだまだ多いことがわかる。

 ただし興味深いのは、再調査で示された“常連ユーザー”の分布だ。こちらは年代による差はさほど見られず、多くの閲覧者がリピーターとして定着することが窺える。1週間に1回以上閲覧する利用者の率は、男性では20代の90%がピークだが、60歳以上でも76%と高率を保つ。また女性では、20代の81%をピークに、40歳以上で66~68%と底を打つが、男女とも中高年でも3分の2以上がリピーターというのは驚くべき数値だ。

 では、中高年までも含めて閲覧者をリピーターにしてしまう「まとめサイト」の魅力とは何か? それはひとことで言えば、従来メディアにもどかしさを感じる層の受け皿になっていることと、かつての写真週刊誌に代わるセンセーショナルな暴露メディアとしての役割を担っていることゆえだろう。

 いまや、検索ひとつでニュースの概要は掴める時代だ。なのにテレビや新聞の報道は昔ながらに横並びで、一定の時間枠や紙面に各社が同じニュースを組み込んで報じている。どこを見ても大差がなく、見たくもないニュースに多くの時間が割かれているせいで、自分が本当に知りたいニュースの扱いが軽すぎる、という不満も生じる。

 もちろんテレビや新聞にも、独自取材に基づいたボリュームと見応えのある特集番組/記事は存在する。確かにそれはすばらしく、また情報の裏付けについても信頼できるが、公共の報道機関であるゆえに画面や紙面に載せられないことも多々ある。そうした制約ゆえのもどかしさが、従来は公共メディアで満足していた人々を、「まとめサイト」に向かわせているのかもしれない。

 「まとめサイト」のスレッドにはWebのあちこちに散在する情報がコンパクトにまとめられ、公共メディアには掲載できないセンセーショナルな画像が載っていたりもして、しかも読者が自由にコメントをつけられる。つまり手軽なサイズに整理され、ちょっぴり扇情的な面もあり、生活者の声が反映されているということが、コンテンツとしての魅力アップにつながっているのだ。それは「アマチュアによる大衆のための特集番組」と言ってもいいかもしれない。

 じっさい、特に若年層には、どこでも手軽に見られることが「まとめサイト」の魅力ととらえられているようだ。男性30代以下、女性20代以下の調査結果を見ると、通勤通学中、トイレの中、食事中の利用率が、それ以上の年代よりも際立って高いのだ。若年層と言えば、テレビ離れ、新聞離れがよく話題になる。情報を得ることと引き替えに一定時間拘束されるそれらの従来型メディアよりも、隙間時間を利用して情報を取りに行ける媒体であることは確かに利点だ。

 そんな手軽で魅力的な「まとめサイト」だが、アマチュアが運営し、誰もが書き込めるメディアであることのマイナス面も忘れてはならない。書かれていることを何もかも鵜呑みにするのは危険だということだ。じっさい、テレビのキャプチャー映像による誤解から産地偽装疑惑を書き立てられたJAグループ熊本が、2ちゃんねるのまとめサイトなどに強く抗議するという事態も発生している。

 落とし穴にも留意した上で、賢く利用したいものだ。

電通パブリックリレーションズによるプレスリリース
調査レポート

(待兼音二郎/5時から作家塾(R)
 

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