不退転の覚悟で挑むカーボンニュートラル 実現するカギはステークホルダーを巻き込んだ「共創」

いまやカーボンニュートラルの実現は、世界共通にして最優先の課題だ。その中で企業に課せられたGHG(温室効果ガス)の排出削減は、業界によっては事業の継続をも左右しかねないインパクトを持つ。我が国を代表する国際海運企業として、グローバルでビジネスを展開する日本郵船は、2050年カーボンニュートラル達成を宣言、グループ全体の中期経営計画において、さまざまな取り組みを急ピッチで進めている。プロジェクトの初期からESG戦略推進を担ってきた筒井裕子氏と加藤淳氏に、日本郵船グループのGXの現在と将来の展望について、アビームコンサルティングで国内外のGXビジネスを推進する豊嶋修平氏が聞いた。

外航海運の脱炭素化は国をまたいだ取り組み

豊嶋 まず前提として、グローバルおよび日本のカーボンニュートラルの現状について、改めて整理しておきたいと思います。