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美人のもと

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第42回】 2009年12月14日
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 ペンの蓋を閉め忘れて服を汚してしまっている人を見かけることがある。かわいそうだ。大事な服を汚してしまっていることもかわいそうだが、たいていそういう人は美人ではないのだ。残念だ。

 そして、そういう人は、蓋をしっかり閉めなかったためにかばんの中を汚した経験が多い。

 美人は蓋に厳しい。しっかり閉める。ペンに限らず、日常出会う蓋としっかり付き合っているのだ。

友達や知り合いの家で見てみるといい。美人の家のものはしっかり蓋が閉まっている。美人の家には干からびた化粧品などない。

 しかし、美人とは言えない人の家には、たいてい蓋がだらしなく開いているものを発見できる。

 蓋がただ乗っているだけの状態の化粧品がある。チューブの先のほうが変色しているマヨネーズがあったり、湿気のためになかなか出てこない七味があったりする。蓋をしっかり閉めなかったために、倒してしまったペットボトルから飲み物が出てしまうこともよくある。

 世の中にある物体の中には少しずつ「美人のもと」が入っているが、蓋をしっかり閉めないとすぐに逃げてしまうのではないだろうか。だから美人は蓋をしっかり閉める。「美人のもと」を逃がさないようにしている。

 蓋とは言えないが大きな意味での蓋、つまり閉めるもの、たとえばドアなどに対しての意識も同じである。美人の家には開けているのか閉めているのか中途半端なドアはない。引き出しが半開きであったり、タンスから服がはみ出したりしていることもない。雨の日に押入れがしっかり閉まっていなかったため、中にカビが生えてしまったという悲しい出来事にも出会いにくい。水を出しっぱなしにしたり、意味なく灯りをつけっぱなしにしたり、誰も見ていないのにテレビがついていたりしないのだ。

 結局、蓋に対する意識は人間にも現われてくる。人の蓋、それは口だ。蓋をしっかり閉めない人はだらしなく口を開けている時間が長い。当然、そこから「美人のもと」が流出していく。美しい顔が崩れていく。

 閉め名人になる。それが「美人のもと」を守ることになるようだ。

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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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