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ピカチュウと一緒に歩いた被災地の日々
~33万人の子どもたちとポケモンの絆が明日を創る

石島照代 [ジャーナリスト]
【第32回】 2012年8月22日
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 東北6県を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から、1年5ヵ月が経とうとしている。時間が経つにつれて関連報道は少なくなっているが、人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクター「ピカチュウ」と一緒に、震災直後から復興支援活動を行っている株式会社ポケモンの田中雅美執行役員は「子どものケアが必要な状況は今も変わっていない」と指摘する。ピカチュウとともに歩いた被災地への思いを、田中執行役員に語ってもらった。

たなか・まさみ
神奈川県横浜市出身。1986年筑波大学卒業後、リクルートに入社。2001年ポケモンに入社、宣伝やアニメ映画、海外事業などを担当。11年から「こどもの明日を創るプロジェクト」を担当。

石島:最初に被災地を訪れたのはいつですか?

田中雅美執行役員(以下田中):最初に被災地に伺ったのは震災発生1ヵ月後の4月半ば、たしか15日前後だったと思います。そのときは社員数人でピカチュウを連れて、宮城県気仙沼市の避難所をいくつか回らせていただきました。

 避難所に着くと、子どもたちがピカチュウに駆け寄ってきました。いつまでもピカチュウに抱きついて離れない子どもたちの姿を見て、「またここに来なければ」という気持ちを強くしました。

石島:支援のきっかけは?

田中:社員の自発的な行動がきっかけとなり、社内に「こどもの明日を創るプロジェクト」が発足しました。ポケモンは日ごろ、子どもたちを中心に多くの方に楽しんでいただいています。今回の震災で、被災した子どもたちはどうしているだろう、その子たちを無視したまま、ビジネスをすることはできないなという気持ちが、自然に社員の中で芽生えていましたし、会社も支援活動をサポートしようという決断がありました。

 一方、ビジネスはビジネスとしてきちんとやっていかなければならないですし、私たちは慈善事業家ではありませんので、利益のなかでできる範囲の事しかできないとは思っています。社会の中の一員として、できる範囲のことを私たちなりの方法でやれればいいなと。

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石島照代 [ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

 


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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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