急成長を遂げたソーシャルゲームだが、コンプガチャ問題で激震が走った。ゲームソフト会社に、収益に与える影響を直撃した。

カプコン社長 辻本春弘<br />行き過ぎからの反省は必要<br />ソーシャルゲームはまだ伸びるPhoto by Toshiaki Usami

──ソーシャルゲームのコンプ(コンプリート)ガチャ問題を、ゲーム会社としてどう見ているか。

 (ディー・エヌ・エーやグリーが展開する)ソーシャルゲームは急成長を遂げただけに、行き過ぎた面が出てしまった。1人のユーザーが月に何万円も使ってしまうというのはやはり異常だ。

 カプコンはイベントで1度だけガチャをやったことがある程度。コンプガチャが廃止されても業績に与える影響はほとんどない。

──今期のソーシャルゲームの売上高を前年同期比2倍にみている。その勝算はあるのか。

 カプコンのソーシャルゲームは、海外で展開するビーラインと、国内のカプコンブランドの2方向から攻めている。ビーラインが扱う「スマーフ」「スヌーピー」は国内外とも好調で、iPhone向けのApp Storeで上位を占めている。まだまだ安定的に伸びる。女性比率が57%と高く、50歳以上のプレーヤーは150万人おり、カジュアルゲーム(気軽なゲーム)市場を確実に押さえている。新タイトルの「シュレック」のソーシャルゲームを出す予定だ。手軽で短時間で楽しめる上、ゲーム会社もイベントを仕掛けたり、ユーザーの反応がすぐにわかるため、新しいゲーム作りの参考になる。

 国内のソーシャルゲームはやっと体制が整ったところ。人気タイトルの「戦国バサラ」を投入し、女性ユーザーを取り込む。

──2013年3月期にカプコンは売上高1000億円の大台を突破する予定だ。

 今期は年間100万本以上の売り上げを見込む大型タイトルを四つ、発売する予定。特に「バイオハザード6」の販売本数は過去最高の700万本を目指す。ハリウッドの映画も同時期に公開される予定で、相乗効果を生かしたい。