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田中秀征 政権ウォッチ

中韓露に脅かされた日本の領土を守る方法

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第146回】 2012年8月23日
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 領有権問題をめぐり、日韓関係、日中関係が大きく揺れている。先月のロシア首相の北方領土訪問もあり、まるで三国が申し合わせたような動きだ。

 露、韓、中の三国の間になんらかの談合があったとまでは思わないが、それぞれが互いの言動に重大関心を持ち、影響を与え合っていることは間違いない。

 大局的に観れば、冷戦後20年を経て経済力、軍事力など国力の相対関係のバランスが崩れて、発展した国家が、世界秩序の現状変更を求める流れの一環だと言える。

 もしこの流れを容認すれば、東アジアだけでなく、世界中で新興国による領土紛争が再燃し、果てしない混乱が続くだろう。

ほぼ同時に再燃した三国との領土問題
今、日本が取るべき行動とは

 周知のように日本は、北方領土、竹島、尖閣諸島の3つの固有の領土が、それぞれ露、韓、中の三国によって領有権を脅かされている。日本が実効支配しているのは尖閣だけで、北方領土と竹島は相手国が不法に占拠して実効支配を続けている。

 われわれは今、領有権問題に明確な原則を持つべきときである。

 まず、実効支配をしていない領土については、それを強化する動きに厳しく抗議し、抗議を無視された場合には、具体的な対抗措置を実行すること。

 また、尖閣のように実効支配している領土については、他国の侵犯を許さず、実効支配の強化に努めること。

 今回の尖閣上陸事件の処理は、04年の事件の処理を踏襲したと言うが、これでは第3、第4の事件を奨励しているようなもの。それに、主権侵害の規模も目標もますますエスカレートさせることになるだろう。

 上陸した14人は、わずか2日で釈放されてオリンピックの金メダリストのように凱旋した。これから頻繁にこれに続く者が出ることは避けられない。

 かねてから尖閣に、日本漁船の中継・避難基地となる漁港を整備するという案が示されてきたが、今それに取りかかる機会ではないか。

 着々と実効支配を強めれば、日本の地方議員など10人の上陸による示威行動のようなことは必要なくなる。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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