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若手社員の「新型うつ」は単なるうつ病ではない!
パニック障害の権威が職場の偏見と治療の誤解に警鐘
――貝谷久宣・医療法人和楽会理事長に聞く

貝谷久宣 [医療法人和楽会理事長]
【第293回】

 しかし長続きはせず、またガクンと憂鬱な気分に戻る。こうした気分の浮き沈みが繰り返されます。また、以前より食欲があってよく眠れるなど、普通のうつ病と違う症状も出ます。

 こうした状況を周囲が見て、「あいつはうつ病みたいだけど、よく見ると元気なときのほうが多いな。本当は仮病じゃないか」といった誤解を招き、患者に対する偏見に結びついていくのでしょう。

社会的生命を傷つけられた気分に
非定型うつ病の特徴は「拒絶過敏性」

――気分が落ち込む背景には、どんなメカニズムがあるのでしょうか。

 根底にあるのは「拒絶過敏性」。たとえば、職場の上司にささいなことで注意されただけなのに、その言葉に過剰反応して、「自分のプライドを傷つけられた」と必要以上に悲観的に考える。それが本人にとっては重いトラウマになって、PTSD(外傷後ストレス障害)のような症状になってしまうのです。

 本来、国際基準で言うPTSDは、生命の危機に晒されるような重大な出来事を体験して発症するもの。たとえば、兵士が戦場で危険な目に遭ったり、住民が大災害に襲われるなど、生きるか死ぬかの極限状態に置かれた経験がベースになります。

 しかし、最近の若者には、些細なことで深刻なトラウマを抱える人が増えている。他人には理解し難いですが、本人にとってはプライドを傷つけられることが、まさに自分の社会的生命を傷つけられることになるわけです。

――「非定型うつ病」の拒絶過敏性にはどういう特徴がありますか。

 無意識のうちに、嫌な体験をした場所の雰囲気や光景が頭に叩き込まれているせいで、職場で自分を注意した上司の表情を見ただけで、大きく気が滅入るようになります。

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貝谷久宣 [医療法人和楽会理事長]


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