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アップルのネットラジオ参入で大激変!?
私たちの新しい音楽の楽しみ方

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第212回】 2012年9月12日
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 アップルが音楽専門のインターネットラジオに進出するという。

 インターネットラジオというのは、ネット経由でいろいろなラジオストリーミングが聞けるしくみで、アメリカでは10年ほど前からいくつかの局がしのぎを削ってきた。コンピューターはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットなど、インターネット接続さえできれば、すぐにラジオが聞ける。ラジオのスイッチを入れなくても、あるいはラジオを持っていなくても、ブラウザやアプリをクリックするだけで、ニュースや音楽、ラジオショーなどが流れてくる便利さが人気で、自動車用にも専門デバイス(機器)が開発されてきた。

 そしてここ数年、インターネットラジオがとみに盛り上がっているのは、音楽専門のラジオ局が出てきたためである。パンドラ、スポティファイ、Last.fmなどが代表的なサービスで、ことにパンドラは、市場の80%近くを握る人気だ。

好きな楽曲が音楽ファイルを持たずに聞ける!
新しいビジネスモデルとは

 さて、アップルはなぜ、ここに自ら挑もうとしているのだろうか。

 うわさによると、アップルはすでに音楽レーベルと交渉を進めており、ゆくゆくはアップル製のコンピュータやモバイル・デバイス(iPhone、iPad、iPod)のすべてで利用できるアプリケーションやアプリとしてリリースする模様という。いずれも、デバイスにプリインストールされ、アップルのサービスとして提供されるという。

 現在、アップルのiTunesストアのモデルは、楽曲を1つずつ購入するというもの。それをデバイスやクラウドに保存しておいて、好きな時に引き出して聞く方法だ。だが、インターネットラジオの場合は、好きなジャンルを選んで次々に流れてくる曲を楽しんだり、自分で好きな曲を集めて聞いたりもできる。音楽ファイル自体は所有しないのが大きな違いだろう。

 インターネットラジオでは高度なしくみもある。たとえばパンドラは、音楽ゲノムプロジェクトという研究が基礎になっているサービスで、ユーザーの好みの音楽に似た曲を探してくるような機能を備えている。「こんなタイプの音楽が好きだけれども、他にもないか」ということはよくあるが、それをインターネットラジオが探してきてくれるわけだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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