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音楽業界を牛耳るiPodやiTunesストアを脅かす
インターネットラジオ「パンドラ」の秘密

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第117回】 2010年10月21日
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 インターネットラジオ「Pandora(パンドラ)」の露出度が高まっている。ラジオなど、古くさいメディア。それが今頃人気になることなどありえないと、思われるだろうか。だが、それは早とちりだ。

 パンドラは、インターネット経由で好きな曲を聴けるサービスで、iPhoneやアンドロイド携帯用のアプリもあり、いずれも人気を呼んでいる。先だって発表されたソニーのグーグルTVにも搭載されているほか、来年にはフォードやメルセデスの新車にも登場する。新しいタイプの音楽体験として、世間の注目度は高い。

 パンドラ人気の背景にはもちろん、車を運転する時間が長いというアメリカ特有の事情があるだろう。統計によると、アメリカ人は毎週平均17時間ラジオを聞いているが、その半分は車の中。ちょうど日本のサラリーマンが通勤時間中に携帯電話に見入っているように、アメリカ人はラジオに耳を傾けているのだ。

ユーザーが自分で気に入った
ラジオ局を構築できるサービス

 だが、もうひとつの人気の理由は、もはや単純なラジオとは呼べないような仕組みが、パンドラにあることが挙げられる。

 パンドラの特徴は、ユーザーが自分で気に入ったラジオ局を構築できることである。ユーザーはまず、自分の好きなアーティストや楽曲を選び、そこへどんどん曲を加えていくことができる。その時に役に立つのが、パンドラが独自に開発した音楽検索のしくみである。

 この音楽検索は、「ミュージック・ゲノム・プロジェクト」というパンドラの楽曲分析技術に基づくもの。あるひとつの曲を複数の項目に分類して、いわばその楽曲のDNA(遺伝子) 構造を特定するようなものだ。曲の流れ、リズム、ハーモニー、歌詞、ヴォーカルのタイプ、楽器など、分類項目はおよそ400にも及ぶ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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