最近、外資系金融機関に勤める友人から会社を辞めた、転職したという知らせがよく来る。どうも日本だけではなく世界中で大証券不況ということで、各社ともに大規模リストラのようだ。従来であれば、年間1回のリストラで、それを凌げば1年間は安泰であったが、今や3ヵ月ごとにリストラがあり、3ヵ月先はわからないという。
円安になれば株高
円高になれば株安
特に、日本株の関係者は大変らしい。というのも、世界ではリーマン危機以降の低迷を脱して株価は回復しているが、日本株は低迷したままだ。日経平均はリーマン危機以前NYダウに比べて活況だったが、リーマン危機以降は低迷している。リーマン危機以前の日経平均はNYダウの上だったが、リーマン危機以降はその立場が逆転している(下図)。
その理由は簡単で、9月6日付けの本コラムで紹介したように、小泉政権と安倍政権では為替は1ドル110~120円と今より円安だった。このため経済は好調で名目GDPも高く株高だったのだ。
それが一目でわかるのが、下図のNYダウの円表示(赤い点線)である。NYダウの円表示は日経ダウとぴたりと一致する。つまり、日経平均とNYダウの差はほとんど為替で説明でき、日経平均は円安になれば高くなり、円高になると下がるのだ。ちなみに、日経平均を、NYダウと為替レートで回帰させると、重相関係数0.97という社会科学では驚異的な説明力になる(計測期間は2005年1月~2012年8月)。それによれば10円円安になると日経平均は1800円上昇する。